自我は特別視が好き

市場における価値というのはいろいろありますが、一番メジャーなのは希少価値だと言ってもいいと思います。

道端に落ちている石ころのように、ダイアモンドがその辺に多数転がっていたら、ダイアモンドの価値はなくなってしまいます。

希少だということは、それ以外のすべてのものとの明確な違いがあるということです。つまりは、それを特別視することができるということ。

この世界で愛するのは君だけだと言えば、唯一という完全なる希少価値がそこにあるし、特別な存在であるということも重ねて意味しています。

自我というのは思考という分離の世界で生きているので、この希少価値、特別さというものが大好きなのですね。

愛するものを特別な存在と思いたいし、愛するものから特別な存在と思われたいと強く願っているのです。

希少、特別ということの裏返しは普通ということです。ごくごく普通なものに価値を感じる人は少ないし、それを特別視することはないはずです。

もしもあなたが自我から自由になりたいのであれば、自らを極めて普通であると認識することです。

真に普通であるなら、他者との分離が消失して全体性の中へと溶けていくことになるでしょうね。