幼い自分に理想の親として接する

幼い子供にとって、親の存在とは一体どんな意味があるのだろうと考えてみると、主に二つのことが挙げられると思います。

一つは成長して社会の一員として生きていくためのあらゆる知識を教えてくれる存在ということ。

私たちは親を通して社会のことを学ぶのです。ここに何らかの支障があると、子供は社会の中でうまくやっていくことができなくなるのです。

そしてもう一つは、親は子供を安心させてくれる存在であるということ。自我(マインド)というのは、その生い立ちからして不安を抱えています。

その不安がなくなることは原理的にあり得ないのですが、それでも親が受け止めてくれることで子供は安心を感じることができるのです。

そうした親子の関係性ができてないと、子供はいつまで経っても不安を強く抱えたままでいるため、自らを安心させようとしてせっせと自己防衛に励むことになるのです。

その結果は必ず自己犠牲をため込むことになり、人生と戦うことになるのです。この二つの親の役割がバランスよく子供に与えられるなら、子供は悠々と生きていけるのです。

二十歳になったらもう、人生が苦悩に満ちていたとしても誰のせいにもできない、などというのはとんでもないまやかしです。

だからといって、親のせいにして自分は何もせずに何かを待っているだけでは、当然人生が好転することはありません。

子供の頃の自分の真実をできるだけ深く探ってあげて、そこに足りていなかったものを明確にしてあげて、それを大人の自分がイメージの中で与えてあげるのです。

そうやって子供の頃の自分が癒されていくことで、大人の自分も癒されていくことになるのですね。