社会の中で立派に仕事をこなし、人生に立ち行かなくなった経験のない人もいます。
もちろんその反対に、人生がうまく行ってないと感じて、自らセラピーの門を叩く人もいます。
前者は癒しが必要ではなく、後者はそれを必要としていると捉えがちなのは分かりますが、実はそうとばかりは言えないのです。
親が前者で子供が後者のような場合、親は自分たちは問題ないので、子供だけセラピーを受けさせようと考えるのです。
けれども本当にセラピーが必要なのは、その自覚がない親の方だと言えるのです。
家族の中に内在している問題がある場合、それは家族の中で一番繊細で脆いところに顕在化すると言う傾向があります。
つまり、親の内面に問題があったとしても、親本人の人生には表出せずに子供の人生にその皺寄せが出てしまうことがあるということ。
こうしたことは稀なことではないのです。ただし、親の側にそのような自覚がないので、実際のところ伝わりにくいのです。
そうなると子供が親と一緒に暮らしている間は、セラピーを進めることが簡単なことではないのです。
子供の方もセラピーに興味があるわけではないので、その状態で癒していくことは難しいことになるのです。
子供が成長してある程度の年齢になって、自発的にセラピーを受けようという気持ちになるのを待つということになるのかも知れないですね。