人生に目標はない

目標に向かって進んでいくもの、それが人生ですね。何の目的も目標もなく、ただその日暮らしが繰り返されているなら、それはつまらない。

「私」という自我にとっては、目標がどうしても必要なのです。それに向かって進んでいるという自覚があれば、生きていけるのです。

ところが、その目標というのが幻想でしかないのです。作り物ですね。そして、その目標があるばっかりに、あらゆる苦しみが起きてくるのです。

目標に少しでも近い人は善人であり、遠い人は罪人なのです。目標があれば、そこに違いが起きてくるのです。

目標に到達できない恐れも生まれます。逆に目標がなければ、人生に失敗というものは無くなってしまうのです。

本当はどこに向かって進んでいるのでもない、ただ今この瞬間があるだけ。他には何もないのです。

自我にとってのこの閉塞感は半端ない。動くスペースとしての未来がどうしても必要なのです。

自我がどれほど幻想の中で生きているのかがはっきりしますね。それをただ静かに見守っていようと思っています。