在るようでないもの

何かに夢中になっていると時間が経つのを忘れてしまうくらい、時間のスピードが早く感じられます。

また逆に退屈だったり何かを我慢している状態では、時間の経つのが物凄くゆっくり感じられるのです。

その理由は単純で、もともと我々が持っている時間感覚というのは思考によって作られたものだからです。

その思考の様々な状態によって時間経過の感覚が変化してしまうのは当然ですね。時間という実体はないということです。在るようでいて、その実ないのです。

私自身の実体験でもそうなのですが、思考が停止した状態の時に、時間はないというのが明らかだったのです。

同様にして私たちのマインドというのも実は実在するものではありません。それは例えれば心理的な働き、仕組み、あるいはプロセスということもできます。

思考が何層にも重なってある種の建造物のようになっていて、全体として自我という仕組みを作り上げる働きも担っています。

ですが実体はないのです。人が沢山集まると群衆という名前をつけることもできますが、群衆という実体などないのと同じです。

つまり、私たちはこの世に実体のないマインド(自我)を自分自身だと思い込んでいるわけですから、滑稽なことかもしれません。

もしも今あなたが、何か辛いことや苦しみに遭遇しているなら、その原因はここに自分がいるという思い違いからだということを思い出すことですね。

もしかしたら、それだけで心が軽くなってくるかもしれません。元々いないものは生まれないし、いないものは死ぬこともできないということもついでに思い出すといいですね。