改善病の自我を見る

自我の特徴を挙げようと思えば、それこそ幾つも思いつくことができますが、今真っ先に出てきたのが、「改善病」です。

社会的には「向上心」という耳障りの良い言葉で表現されていますし、それは素晴らしいものだということになっていますね。

けれども、あえて言わせていただくならそれは改善病なのです。自我は誰かになろうとしているのです。

今この瞬間の自分には決して満足せずに、いつも何かが足りない、もっとできるようになるはずだと期待し続けるのです。

至らないところがあったらそれを修正して、もっと素晴らしい人物になって、社会に貢献して等々。

期待した通りのより良い自分になろうとして頑張るのですが、改善が止まることはないし、実現した改善も表面的なものに過ぎません。

最も大切なことは、自我と同一視してしまっている自己を見つめることです。死を恐れているのも自我です。

なぜなら死がやってくるのは自我に対してだからです。自我を自分だと信じ込んだ自分には、死がやってくることはありません。

改善病を無くそうとするのも改善病だということを見抜くことができたら、ただ見ることができるようになるはずです。