与えること

私たちの人生というのは、概ね次の二つのことを死ぬまで続けているだけではないかと思います。

○ 足りないと感じるものを手に入れる

○ 手に入れてるものを奪われないようにする

前者は心の中にしっかりと根付いている欠乏感を何とかして満たそうとする行為ですね。後者は自分が所有しているものを奪われてしまうのではないかという恐れから、それを防衛しようとする行為です。

つまり、不足しているものを手に入れ、手に入れたものを失わないでいるということです。

そしてこの両者を失敗することなく、なるべく無難に成功させていくことが人生の幸せだと何となく漠然と思っています。

シンプルな例をあげると、大好きな人と結婚して、その後その人を他の誰にも奪われないで生きていくということです。

確かにそれが幸せと思える人もいるでしょうけれど、これだけで幸せになれるという保証もないことは自明ですね。

足りないものを手に入れて嬉しいのはその時だけです。つまり一時の喜びや安心感を手に入れるということなのです。

そして、その足りないという欠乏感は実は自分が個別性を持った個体であるという分離から来ているものなので、何を手に入れても本質的に満たされるということはないのです。

ですから足りないものを手に入れる行為は死ぬまで続いてしまうのです。また、所有しているものを奪われないようにするというのは、明らかに防衛であって、この根底には恐れがどっしりと鎮座しています。

いつもお話しているように、防衛はエゴの仕事であってそこには愛がありません。ですから、奪われたらどうしようと不安を持ちながら生きることに幸せはありません。

結局、この二つの行為を続けていく人生には、本当の幸せはやってこないということになってしまいます。ではどうしたらいいのでしょうか?

つづく