視点を変える

宇宙飛行士が地球をうんと外側から見ると、暗黒の宇宙空間にポッカリと浮かぶブルーの球体のように見えるらしいですが、それを見ると人類が絶えることなく戦争を続けていることがいつもと違った感じで捉えられるということです。

あの球体の中で60億以上の人々が運命を共にして一生懸命生活しているのだと思ったら、争うことは本当に馬鹿馬鹿しいことだと思えるのでしょうね。

でもその宇宙飛行士が地球に帰還して、普段の生活に戻るとまたつまらないことに腹を立ててしまったりもするわけです。

このように視点が変わると人は同じものを見ていたとしても、全く違った反応をするものですね。このことを普段の生活の中に取り入れることによって、できるだけ心を平安に保つことができます。

視点を変えると、スケールも変わるし見る角度も変わります。例えば、人は肉体の目を使って周囲を見ていると同時に自分のことも見ています。自分の肉体の中にいるという感覚ですね。

その視点を変えて、自分から1~2メートル離れた場所から自分を客観的に眺めてみるのです。そうしたときに、自分という存在をどんな印象を持って見ることができるでしょうか?

きっといつも自分とはこうだと思っている自分像とは何かが違う印象を得ることができると思います。もしかしたら、いつもよりも優しい眼差しで自分を見れるかもしれません。

戦渦に巻き込まれている状態で、心を平安に保つなどということは無理ですね。しかし、自分は絶対に被害に遇わないと思えるまで充分に上空まで視点を移動したうえで、状態を見てみるときっと冷静な見方ができるはずです。

それと同じようにして、自分が誰かと対峙していて、何か辛い反応をしている時、悲しみや怒りにさいなまれているときに、自分と相手を上から見下ろすように視点を変えてみるのです。

そうすると、その巻き込まれている感覚からふっと抜け出せる感じがしてきます。結果として防衛体制がかなり緩んできて、エゴの作戦からはずれて冷静な自分に戻ることができたりするのです。

そこで、いつもの赦しの作戦を実行すればいいのです。このようにいつも自分の視点を工夫して、心の余裕を取り戻すことを心がけてみることはとても大切だと思います。