以前このブログでも書いたことがありますが、人の心の進化というものは、依存→自立→相互依存→神への依存 というような変遷をしていくものと思っています。
最後の神への依存というのは、全体(愛)への回帰というような意味あいがあり、神というものをわざわざ持ち出す必要はありません。
そのことはともかくとして、私の中でここ数年懸案になっているのは、依存から自立や相互依存をすっ飛ばして、一気に最後まで到達できないかというものです。
つまり心の癒しのショートカットは現実的だろうかということです。セッションにいらっしゃるクライアントさんは、自覚があろうとなかろうと概ね依存から自立へとうまく移行できずに困っている状態なのです。
勿論この依存は全人格的なレベルの場合から、特定の一部についてだけの依存という場合まで様々なのですが、それでも人生がうまく行かないというのは依存からうまく自立ができてないことによるのです。
したがって、セラピーの大部分はこの依存から自立へと向かうことを支援するということになります。しかし、もしもそんな回りくどいことをせずに、ショートカットして最終地点を目指すことができたら、どんなに時間と労力の節約になるでしょう。
これは勿論セラピスト自身にとっても言えることです。依存から全体への回帰という一連の流れは、実は何度も繰り返しながら進んでいくものなのです。
依存から自立へと向かうときに全人格的であることはまずあり得ません。ですから、何度も何度も繰り返して依存から自立へと遷移する必要があるのです。
そして今までのところ、残念ながらどうもショートカットは難しいかもしれないと思い始めています。ある程度の段階まで依存から自立へとシフトしてからでないと、その先へ進むのに必要となる自覚を持ち続けることが難しいのです。
この現実が自分の心の奥に抑圧されたものの投影でしかないということを認められるためにも、自立は欠くことのできないものかもしれないと思い始めています。
より正確な表現をすると、依存から自立への進化というのは表面的なものであり、内面的には分離しているということを認めてないということに気づく作業なのです。