先日、人間の知覚には、最大で0.5秒の遅延が起きているということについて書きました。ただし、そのままだと不都合が起きて、とてもじゃないけど普通の生活ができなくなってしまいます。
そのために、実際にはアウェアネス(気づき)のレベルでは、自動的に0.5秒時間を前に戻すということをやっているそうです。
それで、つじつまが合うようにしているのです。本当に驚くべきことですね。ところで、では何でそれほどの長い時間が気づくために必要となるのかということを考えてみたいと思います。
奇跡のコースでは、私たちのやるべきことは、歪めてしまっている知覚の仕方を、聖霊の知覚のように正していくことだと伝えてくれています。
つまり、この0.5秒の間にあるがままの知覚情報を改ざんして、自分(エゴ)にとって都合のいいようにしているということです。そのための0.5秒だったということです。
生物学的には、きっと本能的な自己防衛の手段として使われているこうした機能を、エゴは異常に発達させてしまったのだろうと推測できます。
したがって、私たちが聖霊に明け渡すにしたがって、この0.5秒の遅延が徐々に必要なくなっていくはずだということになります。
そして、完全に明け渡されたとき、つまりエゴが消滅してしまったそのときには、知覚にまつわる0.5秒という遅延もなくなるのでしょうね。
脳神経科学者たちは、インドやその他の地に赴いて、覚醒した賢者を被験者にして詳細な実験をするべきだと思うのです。
きっと彼らだけは、0.5秒の遅延が起きないはずです。この知覚にまつわる実験によって、誰が本当の賢者なのかを見分けることができるということになりますね。
勿論、見分けることなどには何の意味もありませんが、誰もがあるがままを知覚することができない状態だということを科学的に明確化するということに価値があるように思います。