心の基盤にメスを入れる勇気

心を癒していく過程において、もっとも重要なことは、自分の信念や信条、考え方や信じていることなどの外側にあると思われることを拒絶しない姿勢です。

癒されるときには、必ず長年培ってきたものに対する心理的なパラダイムチェンジを必要とするからです。それがなければ、どんな変化もうわべだけの浅いものに終わってしまいます。

今の自分を癒していくためには、今の自分を作り上げた心の基盤を脇に置くという勇気がどうしても必要になるのです。

今の自分や自分が抱えていると思い込んでいる問題は、たまたまそれがそこにあるわけではないのです。それは自分自身の生き方の結果としての当然の帰結であると気づくことです。

自分の主義主張、正しさ、信じているもの、そういったものはそのまま温存しておいて、癒しが進んでいくということは決してないと理解することです。

残念ながら、セラピーにいらしたクライアントさんの大多数は、自分に都合のいい癒しの方法だけを期待しているのです。

追い詰められて、そんなことはもうどうでもいいという状態になれた人は、そうした理由から比較的容易に癒しが進むのです。

誰でも自分の内側にある心の基盤を守ろうとするものです。それはエゴの本質でもあるので仕方のないことですが、思い切ってそこにメスを入れることです。

それは、セラピストのサポートがあろうとなかろうと、結局やれるのはクライアントさん自身でしかないということですね。