心の「やじろうべい」

以前、キアヌ・リーブスという俳優さんが、何かの番組でインタビューを受けて答えていたのですが、彼は日曜日から金曜日までは食事制限をしているということでした。

それは勿論、俳優としての職業柄、引き締まった身体を保つ必要があるからですね。けれども、土曜日だけは好きなものを好きなだけ食べるようにしているとのことでした。

あまりに、自分に厳しくし過ぎてしまうと、節制が続かずにどこかで爆発してしまうからなのだと言っていました。

つまり、過度になりすぎずに、バランスを保つことが継続するコツだということですね。お金が乏しいからと、節約し過ぎて大好きなスイーツを長い間絶ってしまうと、理性を破ってがむしゃらに食べてしまうということが起きるのと同じです。

アンバランスになっていることで、自己治癒力が働いて自動的に反対方向へと向かわすことになるわけです。

それは、傾いていた「やじろうべい」の手を離せば、反動でもう一方の方へと傾いてしまうのに似ています。そうやって、「やじろうべい」が平衡を保つようになるためには、何度も左右に傾かなければならないのです。

こうしたことは、人生レベルでも起きています。つまり、幼い頃に作り出した自己防衛システムが度を越えて強力に作用すればするほど、無防備さ(無邪気さ)とのバランスが崩れてしまい、あるとき一瞬にして反転してしまうということが起きるのです。

その反転こそが、身体の病気であったり、うつ症状であったりするわけです。反転の周期は人それぞれで、数日で入れ替わる場合から、数年の場合もあります。

あなたの心の「やじろうべい」はバランスがとれていますか?日ごろからしっかり確認しておくことがとても大切です。

そのためには、ずっと支配されつづけてきた精神的自己防衛を見張り、その策略を見抜いて、それを緩める選択肢を見出すことです。