正直に自分と向き合う

癒しを進めていくためには、ご本人が真剣に取り組むという姿勢がやはりどうしても必要です。したがって、ご家族の誰かが問題を抱えていても、ご本人が乗る気でなければセッションにいらしてもほとんど効果は期待できません。

特に、10代前半から半ばくらいのお子さんの場合には、まだまだ自分を癒していくという発想を持つことが難しいのです。私の経験では、10代後半でもまだ難しい場合が多いです。

ご家族が心配するのも無理はないのですが、焦ったところでいい方向に進むことには決してならないばかりか、ブレーキになりやすいのです。

お子さんの側が、問題が解決してしまえばそれでいいと思っている親の本音に気づいてしまうからです。

その問題は、本当の問題に気づかせるための単なる仕掛けであって、その奥にある目には見えない本人の心の叫びに気づいてあげなければならないのです。

そこに気づくためには、家族の方こそが見てみぬふりをしてきた自分自身の問題に目を向けることしかありません。

子供は、自分が犠牲となって家族というシステムの問題を映し出してくれているという観点を持つことが大切なのです。

そこに直面するのを拒絶するために、子供の癒しを進められずに終わってしまう親を何度も見てきました。

真に愛する家族のために、そして本当は自分自身の癒しのために、もう逃げることをやめて、一人ひとりが正直に自分と向き合うことなんですね。