感情の法則

何の感情も感じないようにして、ロボットのように生きていけたらいいのにと、本気で訴えてきたクライアントさんがいらっしゃいました。

ご自身の感情がとても辛いものだったからなのでしょうね。その気持ちはよく分かります。誰だって辛く苦しいのはいやですから。

けれども、実は苦しみというのはその感情を否定して、その感情に逆らってそれを感じないようにすることによって起きてくるのです。

実は感情そのものは、苦しみというよりも心の痛みと言った方が近いものです。痛みはしっかり味わってあげることで、安らいできます。そして、苦悩することはないのです。

私たちはいやな感情から逃れようとして、その結果として苦悩することになってしまうということに、もうそろそろ気づく必要があります。

たとえば、寂しさから逃れたくて、その寂しさを見ないように奥に押し込んでいると、その寂しさと似たようなエネルギーを引き寄せてしまいます。

その結果、より一層寂しさを蓄積してしまうということになるのです。それをまた更に抑圧するということで、寂しさが果てしなく溜まっていくという悪循環に陥ります。

そうなると、その寂しさは本人としては大き過ぎて、手に負えないようなものに感じてしまうかもしれません。

それはいずれ、限界を迎えることになり、漏れて外に出てくるか、爆発して外部に放出されることになるはずです。

本当は手に負えない感情というものはありません。本人にとってそう感じるだけのことですから、少しずつでもその感情と向き合って、無防備にそれと一体になることです。

いずれは、安らかな心を取り戻すことができるようになっていくはずです。