とにかく内側に意識を向けることですよ!

私自身が自分の中で日々やっていること、そしてセッションのときにクライアントさんに伝えていること、それはとにかく自分の内側に意識を向ける、ということなのです。

それを具体的な言葉で表現すれば、いろいろになるのですが…。たとえば、自分の気持ちを受け止める、心の声に耳を傾けてやはりそれをただ受け止める。

あるいは、自分のマインドの中に渦巻いている思考を見る、またはできるだけ意識的に生きる、瞑想的に生きるなど、これらは全部内側に意識を向けるということなのです。

会社に出勤途中、あなたが道を歩いているなら、歩いている自分を意識するのです。と同時に、太陽がジリジリ暑いなと思っていることを見るのです。

道端に咲いている名も知らぬ可愛らしい花を見つけたのなら、それを見ている自分を見るのです。遅刻しそうで困ったなと思っているなら、その思いをただ受け止めるのです。

受け止めるときの要点は、心の中のどんな声、どんな想いに対しても抜けなく全面的にということに尽きます。そして、肯定も否定もなく、判断もなく、味方にもならず敵対することもせずに…。

つまりそれは、無思考でということです。意識を向けるとは、思考を使わずにただ見るということなのです。あなたが道端の花を見ているときには、花を見る主体としてのあなたと、あなたに見られる客体としての花と、あと見るという行為があるのです。

つまり、主体と客体とその間を取り持つ行為の三つがそこに在るのです。これはごく当り前のことです。けれども、そこに主体を見るということを追加するのです。

それこそが意識的でいるということ、瞑想的であるということの本当の意味です。残念ながら、あなたの意識はほとんどが客体に向けられているだけなのです。

主体である自分に対しては、無意識であるとしかいいようがありません。このような時間をあと何万年過ごしたところで、決して自分の本質に気づくことにはならないのです。

あなた自身を思考を使わずにただ見ること、そのことによってのみあなたは本当のあなたへと変容を遂げることになるのですね。