自分のままではいけないという想い

幼い子供にとって、何が一番辛いことかといえば、それは大切な親の期待を裏切るようなことをしてしまうということです。その子が親に深く洗脳されていれば尚更です。

自分の言動がもとで、親が悲しんでしまう、親が心配する、親が落胆する、親が恥をかく、こうしたことのすべてが子供の心に突き刺さるのです。

それでなくても、幼い時期というのはまだ自分の存在にOKを出せていない状態なのですから、少しでも親が怪訝な顔をしたり、ため息などを吐くようならそれが痛く心に響いてしまうのです。

そして、やっぱり自分というのはダメなんだ、自分はどうしてダメなのだろう、自分のままではいけない、何とかして親を喜ばせたい、となるのです。

この自分のままではいけないという思い、これがその後のその子の人生を徹底的に破壊することになるのは自明のことです。

自分のままではいけないが強くなってくると、自分のままでいたいという無邪気さが完全に抑圧されてしまいます。そうなると、抑圧されたエネルギーは本人の意志とは裏腹に蓄積して、いつか決壊することになるのです。

それは、当然何等かの問題行動という形を取ることになるはずです。なぜなら、本人の理性では決してそんなことはしてはいけないと強く思っているのですから。

問題行動というのは、深く潜伏させられたエネルギーが無自覚のうちに行動となって出現するわけですから、本人にとっては勿論最大都合の悪いことなのです。

結局、その問題行動は、本人にやっぱり自分はダメなやつなのだという決定的な烙印を押させることになってしまうという、絵に描いた様な悪循環に陥るのです。

この強烈な悪循環を断ち切るためには、まず自分が親から強い洗脳を受けているということに気づいていく必要があるのです。

そのためにも、無条件に自分の心の中にある様々な声に耳を傾け、それを受け止めていくということを日々実践することです。

勿論時間はかかるかもしれませんが、いつか必ず洗脳されていたことに実感を持って気づくことになるはずです。そうなったら、後は自然にまったく違った見方で自分を見てあげられるようになっていくはずです。