真実はブラックホールのよう

宇宙にはブラックホールというものがあるということは、この時代に生きている人なら大抵は知っていると思います。

私が子供の頃には、まだそれほど周知されてはいなかったはずですが、今では子供でもその存在を聞いたことがあるでしょうね。

質量の大きなものがたくさん集まると、互いに引き合う力が大きくなり過ぎて、より密度が高くなり、想像を絶するほどに重力が大きくなるのです。

そうなると、どんなものもその重力に引きつけられて内側に閉じ込められてしまうのです。たとえ光と言えども、その中に落ちていって二度と戻っては来れない。

だから私たちはそれを決して見ることはできないので、ブラックホールと命名されたということですね。

これは私の勝手なイメージなのですが、真実というのもブラックホールのような特徴があると思うのです。

たとえば、どれほど素晴らしい論理があったとしても、真実の中に吸い込まれたら最後、それはまったく用をなさなくなってしまうのです。

どれほど科学が進歩して、もうこれ以上の高みはないというものが発見されたとしても、真実と対面した瞬間にその中に落ちて行き、その存在は消えて行く運命にあるのです。

真実はそれ以外のあらゆるものを飲み込んで、すべてを消滅させるだけの力を持っているのです。

その力から逃げていられるのも、そう長くはないのではないかと思うのです。すべてが無に帰す時がやって来る、つまり真実とは無のことなのですね。