ただ起きることが起きる

よく「思い立って」何かをし出すということがあると思います。あれってちょっと考えると不思議だと思いませんか?

その思いつきのようなものは、一体どこからやってくるんだろうかって考えても、絶対に分からないのですから。それは何か受動的な感覚があります。

それに対して、自分でこうしようああしようと能動的に考えた事は、単なる思いつきのレベルではなく、自発的な自由意志によるものだと感じるのです。

けれども、能動的に考えると言ってもそれがなぜ起きるのかを誰も説明することはできないのです。これ分かるでしょうか?

説明がうまくできなくて申し訳ないのですが、よくよく見てみれば分かるのですが、その両者に違いはないのです。

つまりは、あなたが何を思い立とうが、何を自由意志を使って能動的に考えようが、所詮はただ起きることが起きているのです。

だから私たちには完全なる自由意志があると感じるだけで、すべては何処かからやってくるものでしかないということです。

ある人は自分の人生をこういうものにしようと決意して、毎日たゆまぬ努力を続けるかもしれません。

またある人は、人生なんてくだらないと絶望して、ダラダラとただ生きているような毎日を繰り返すかもしれません。

ある人は優しい人格者かもしれないし、ある人は道を踏み外して罪を犯すかもしれないのですが、何がどうであれそれが起きたのならそれが起きるということがやってきたのです。

ただし、だからといって未来がすべて決まっているということを言いたいのではありません。瞬間瞬間に起きることがやってくるだけ。

もしかしたら私はこの感覚を子供のころから持っていたかもしれません。長いこと忘れていたのですが、今の仕事をするようになってまた思い出したのです。

つまりは、誰も悪くないし、誰も良くないってことですね。思考で納得できることではないのですが、ただ起きることが起きるということです。