自我の夢から醒める

自我は自分の奥深いところに爆弾を抱えています。どんな爆弾かというと、それを見つけてしまったなら、もう今までの自分ではなくなってしまうのです。

自分を今まで通りにこれからもずっと存続したいので、そこは絶対に見られたくないと思って、あの手この手でその爆弾は隠されてきたのです。

そこに近づこうとすると、ものすごい恐怖が襲ってきたり、あるいは頭がボーッとして理性が働かなくなってみたりするのです。

それでもごくごく稀に、勇気を持ってそこを見にいってしまった人がいますが、彼らは全員自我が崩壊して覚醒してしまったのですね。

そこを一瞥しただけで、私たちはこれまでこれが自分だと思っていたものが間違っていたということを見抜くことになるのです。

本当のことを言えば、そこには爆弾はおろか全くもって何もない完全な「無」だけが広がっているのです。

ああ、私という個人など居なかったのだと気づいた時に、何とも同化していない真の自己が顕れるのです。

自我として生きる夢を見ていたものが、本当の自己に目覚めた瞬間ですね。昨日までの自分はもう居ないし、二度と現れることはないのです。