○○恐怖症の原因

ライオンに追いかけられたら、誰だって怖いですし、ビルの屋上の縁を歩けと言われても、怖がるのは当然のことですね。なぜなら、物理的に命の危険を察知するからです。

一方、ライオンの写真を見ただけで怖がる必要はありませんし、高層ビルディングの写真を見ても怖いと感じることはないはずです。命に別状はないと分かっているからです。

けれども、本当は危険ではないと理性では分かっていながらも、実際に恐怖心を感じてしまうことがあるのです。そういう症状のことを○○恐怖症と呼んだりしますね。

誰もがそれほどには怖がることもないことに、異常とも思えるくらいの恐怖心を感じてしまうのですから、本人としてもわけが分からないし、場合によっては何とも不自由な生活を強いられることになってしまうのです。

そうした、○○恐怖症という症状を癒すためには、その恐怖が一体どこからやってくるのかということを突き止める必要があります。

たとえば、閉所恐怖症というものがありますね。エレベーターなどの密閉された空間に自由を奪われて入っているような場合に、死ぬほどの恐怖がやってくるわけです。

その恐怖はその瞬間に感じているのですが、実際にはその恐怖は過去からやってきているということに気づくことです。感じているのは今でも、その感情の出処は今にはないのです。

また、今感じているひどい恐怖感が、実はまったく縁もゆかりもない過去のある事象に関連した恐怖だったということもありますし、このケースのほうがむしろ一般的かもしれません。

つまり、○○恐怖症の人がそれを恐れている本当の理由は、それとは無関係な過去の何かからやってくるということです。その場合、荒療治によってその恐怖症を克服したとしても、元が残っているわけですからまた別のネタを使った恐怖症を作り出す可能性もあるのです。

○○恐怖症は、あなたが過去に感じたはずの耐え難い恐怖を抑圧した結果起きるのです。あなたがその恐怖から(自覚のある無しにかかわらず)逃げれば逃げるほど、過去の恐怖があなたを追ってやってきた結果なのです。

そのことに気づき、表面化している恐怖症を克服しようとする代わりに、逃げ続けてきた闇に焦点を当てる作業を始めることです。もしも、今はそれが無理だとしても、きっといつかは逃げずに見ることになるので大丈夫です。