気分をコントロールする

何かとても嬉しいことがあったら、心はウキウキしてきます。目指していた目的が叶ったときには、晴々とした胸のすく様な気持ちになるものですね。

逆も然りです。ということは、私たちは自分の身にやってくる現実によって、悦びに溢れてみたり虚しく落ち込んだりしてしまうということです。

それなら、私たちは起きることの奴隷ではないでしょうか?つまり、永久に思い通りの気持ちで生きていくことなどできるはずもありません。

いやいや、だからこそできる限りの努力と頑張りで、願望を達成して悦びを勝ち取るようにするのだと言われるかもしれませんが、それは土台無理なことです。

というのも、人生は決して自分の思い通りに結果が出るとは限らないからです。私たちは、もうそろそろ自分の力ではどうにも人生をコントロール下に置くことなどできないと気づく必要があるのです。

それなら、諦めるのか?そうではありません。起きてくる物事をコントロールしようとする代わりに、自分の内側である自分の気持ちをコントロールすればいいのです。

つまり、もしもあなたが、今日一日を気持ちのいい日にしたいと願うのなら、あなたの気持ちを明るく楽しい気分にしてあげればいいのです。

ところが、不思議なことに、こうしたことはできるはずがないと一般に信じられているのです。何も喜ぶネタもないのに、どうやって楽しい気分になれるのか?と思っているのです。

でも、実践する前から理屈をこね回して否定ばかりするのではなくて、一度試してみる価値はありそうです。できれば、最初はなるべく、嬉しくもなく辛くもないフラットな状態で試すのがいいでしょうね。

私自身の体験によると、まず実践しようとする前に、ある抵抗が心の中にあることに気づきました。それは、こんなことを言っています。「そんなことはバカバカしいし、何もないのにいい気分になるなんて、損だ!」

で、何が損なのかと問い合わせたところ、「自分は辛い目に遭ってきたのだから、それを表現しなければならない、訴えなければならないのに、いい気分になってしまったら、誰からも分かってもらえなくなってしまう」と。

結局、いい気持ちで過ごしたいという思いがある反面、奥の方では不満を訴えている自分がいて、彼の立場では気分のいい自分など見せてはダメだということになるのです。

その主張が強いと、本当は嬉しいことがあったとしても、すぐにしかめっ面になってしまったり、深刻さをすぐに引き戻してしまうということも起きるのですね。

そして、そのことをよく理解してあげて、心から無条件で受け止めてあげると、抵抗は小さくなって、容易に自分の気持ちを明るくすることはできると分かりました。

心に余裕のあるときにでも、是非試してみて下さい。