背負うべき何物もない

人の人生は本当にさまざまですが、誰にとっても例外なく共通していることもあります。それは、裸一貫で生まれてきて、裸一貫で死んでいくということ。

死に行く時に、それまで所有していると思っていたあらゆるものがその手から滑り落ちて、手ぶらで天国に行くしかないのです。

それが分かっているくせに、生きているうちは物凄く重い荷物を担いでゼイゼイ言いながら戦い続けている人もいます。

荷の重さで肩に食い込む痛みがどんなに険しいものでも、弱音を吐かずに歯を食いしばって耐えているのはなんでなのでしょうか?

肩の重荷とは、その人のマインドが作り出した義務や責任とも言えます。ご本人に言わせれば、できることなら全ての荷を下ろしたいと思っているのですが、マインドがそれを許さないのです。

そんな時に思い出していただきたいのは、本当はいつも手ぶらなんだということ。真実は、どんな義務も責任も実在しません。

マインドのでっち上げたものにすぎないということを。私は出来る限り手ぶらで過ごすのが好きです。何も持ちたくないのです。

背負うべき何物もないと深く理解する時、ようやく清々しさと一緒に自由な感覚がやってきてくれるのですね。