執着という防衛

子供にとってどんな親が理想的かと聞かれたら、迷わず言えることは、「心に余裕のある状態の人」なのです。

心がいっぱいいっぱいでゆとりがなければ、目の前にいる愛しい我が子の気持ちを受け止めることができなくなってしまうからです。

余裕がないのは、不安や恐怖から逃れるために何かにしがみついているからに他なりません。しがみつくというのは、何かに執着を持っているということ。

たとえば、断崖絶壁にしがみついている人は余裕があるはずないのです。岩肌にしがみついている指がはずれたら、落ちてしまうからです。

何かに執着しているとは、その対象を取り逃がしてしまったら大変なことになると錯覚している状態です。

要するに執着というのは自己防衛の一つの形なのです。親子の関係のみならず、執着心が強ければ一般的な人間関係もうまくいくはずもないのです。

対象が何であれ、自分の執着心をよく見てあげることです。それを取り逃がしても、本当は何も変わらないということに気づくなら、大きく人生は変化し出すでしょうね。