正義と悪党のど真ん中

小学生の頃、多分4年生くらいまでかなとは思うのですが、ある種の正義の味方のような生き方をしていたのです。今思うと笑えますが…。

そういった生き方、考え方が一体どこから来たのかと考えてみると、多分幼い頃に聞いた昔話やおとぎ話からではないかと考えられるのです。

桃太郎にしても、一寸法師にしても、簡単に言えば「悪い奴ら」をやっつけて成敗するという単純な物語なのです。

ヒーローというのは、常に正義の味方だったので、自分もそういう存在にならなければと短絡的に思ってしまったのだろうと。

ところが、5年生くらいから正義というもののあまりにもいい加減さに気づいてからは、一気に正義とか正しさというものに興味が薄れていったのですね。

正しさというものの素性がバレてからは、自分の中でそれを最優先しなくなったのです。そうすると、毎日がとても生きやすいことにも気づいたのです。

そしてそれがもう少し進んだところで、実は悪と正義が常に一対のものでしかないという二元性にも気づいたのです。

正義というのは悪なしでは成立しないのですから。極論に聞こえるかも知れませんが、悪は自我のダイレクトな防衛によるものですが、正義は遠回しな防衛なのです。

正義でも悪党でもない、そのど真ん中であることこそが本来の私たちの存在なのだと思うのです。