自我は中毒患者

年齢退行のセッションの中で、親自身が持っている不安感をダイレクトにもらってしまっていたことを思い出すクライアントさんがいらっしゃいます。

その影響力は半端ではなく、それを自分の感情として感じてしまうのです。こうしたことは親子の間では、ごく普通に起きていることなのです。

その不安から目を背けることなく、しっかりと感じてもらっている間に、不安の中にはそこはかとなく癖になる要素があると気づくかもしれません。

ある種の快感だったり、いわゆる中毒性のある刺激だと思えばいいのです。それが不安の正体であるというよりも、自我そのものが中毒性を見出してしまうのです。

言ってみれば、自我というのは中毒患者のようなところがあるということです。しかも、一般的に言ってネガティブなもの、敬遠されるようなものにこそ中毒症状を起こすのです。

自我はそうした仕組みを利用して、そこからさらに執着心を生み出すのです。そうやって本業である防衛を継続させることに成功するのです。

癒しを進めていく上で非常に大切なことの一つは、やってくる不安から逃げようとしたり戦ったりしないでいる練習をすることです。

そうすることで不安の根っこを見極めることもできるし、不安感は次第に小さくなっていくものです。

勿論同時に、中毒症状も緩和していくでしょうね。そうなったら、不安を恐れることはなくなっていくはずなのです。