愛は欲しない

私たちが自分だと思い込んでいる自我というのは、そもそもが自分のままでは足りないという欠乏感を持っています。

ですから、安心しようとすればその足りないものを外側からなんらかの手段を使って手に入れることによって、実現しようとするのです。

つまり、自我というのは足りないものを外部から取り込むことで充足できるのだろうと信じ込んでいるのです。

けれども、事実はどうかと言えば、実際に入手した直後だけは少しばかりの満足感を得ることはできるのですが、それもあっという間に消えていくのです。

そしてまたすぐに別のものをターゲットにして、相変わらずの欲しい欲しいの人生が継続するわけです。

外側から手に入れたものでは決して満たされることはないという、自我の真実に早く気づけばそれだけその人は救われるのです。

欲しがるものがお金であれ、物質的なものであれ、人であれ、違いはありません。好きな人を欲するのは自我としては自然なことですが、それは自我の愛なのです。

真実の愛は、「欲すること」がないばかりか、自分の内側にあるものが外側に向かって溢れていく状態なのですね。