抑圧という防衛

このブログで繰り返しお伝えしている事ですが、「自我とは自己防衛」と言い換えることができるくらい、両者はペアなのです。

つまり自我として生きている限り、そこには心理的自己防衛があるのです。自己防衛が小さくなって、無防備になっていけば自我も小さくなっていくということです。

そのくらい、自我の本質とも言える自己防衛なので、その具体的な方法はそれこそ無限にあると思っても間違いありません。

その代表が抑圧というものです。自覚していると辛すぎるような思い、気持ち、感情などを自覚できないマインドの領域へと隠してしまうこと。

それが抑圧なのです。抑圧されたものは、潜在意識と呼ばれるマインドの領域へと持っていかれ、そこに閉じ込められるのです。

要するに都合の悪いものを地下室の奥へとしまって鍵をかけてしまうようなもの。始めからなかったことにしてしまうというものです。

逆に言えば、抑圧がなければ潜在意識などという部分ができあがることもなかったわけです。ということで、抑圧は自我の防衛の中でも中心的な役割を持っているのです。

自我に抑圧という能力がなければ、人類は非常に健康的で平和な世界を築いていたかもしれません。隠すことができなければ、直面するしかないからです。

そうなったら、物事はとてもシンプルになるだろうし、嘘もなくなり、ドラマティックな物語もなかったのでしょうね。