過去と未来をシャットアウト

このブログに何度も登場する私の母親のことですが、短期記憶の能力が明らかに落ちてきてしまっていて、デイサービスから戻ってきた瞬間に、どこに行っていたのかを忘れます。

それだけならまだいいのですが、今日は踊りから帰ってきたようなことを言うのです。30年以上前に日本舞踊を習っていたことがあったので、その時の記憶のようなのです。

一つひとつ丁寧に記憶の問題だと言うことを説明するのですが、最終的には互いにどうでもいいことにしようで終わらせるのです。

今日を無事生きるのに必要な物理的な全てが揃っていることを伝えて、できるだけ安心してもらうようにするのですが、それもすぐに忘れるのです。

ふと、自分がその年齢になったときに同じような状態になる可能性が高いと思い、自分だったらどのようになるのかを想像してみたのです。

あくまでも想像なので本当のところは分かりませんが、きっと自分の短期記憶が曖昧になった時点で、過去と未来をシャットアウトするはず。

思い出そうとすれば、苦しむだけだと分かっているし、過去と未来へ想いを馳せることをしないような生き方を練習してきているからです。

母親には、考えても解決しないことは考えるのをやめてしまおうと伝えています。本人もそうだねと言うものの、またすぐに過去のことを思い出そうとするのです。

長年の生き方のクセが取れない限り、この状態は続いてしまうのかもしれません。それは助けてあげられないのが、何とも歯がゆい限り。

でも仕方のないことですね。高齢になれば誰にでも起きうることなので、記憶力が正常なうちから過去と未来をシャットアウトする練習をしておくことです。

それには、瞑想や意識的に生きることが絶対的に役立つはずです。そしてもう一つ、自分の本質から見る事を練習すればいいのです。そのどれもが記憶を使わずにいられるからです。