仕返しの人生 その2

昨日のつづきです。

人は親から受けた惨めな思いや体験に対する仕返しをするために多大なエネルギーを費やし続けるというお話をしました。

本当に自覚がない場合が多いので、それは延々と続くのです。そして、その仕返しという目的のために、数限りない自己犠牲を強いてしまうのです。

大人になってからする仕返しで一番代表的なのは、不幸せな結婚をするというものかもしれません。常識的には幸せになるために結婚をするのですが、それを仕返しに使うのです。

そうすると、結婚生活は悲惨なものとなるはずです。それが、親への見せしめであり、自分が不幸になることで仕返しをするのです。

勿論本人にはそんな自覚はまったくありません。表面的には幸せになろうと考えて相手を選び、結婚するのですが、心のうちではとんでもない仕返し劇を考えています。

例えば、ドラマなどでよく見るシーンとして、結婚式の前夜に両親に対して、娘が今まで育ててもらったことへの感謝の気持ちを伝える、みたいなものがありますね。

その時に、心から「私は結婚して幸せになるね。」と両親に言えるなら、仕返し目的の結婚ではないと思われますが、そうした気持ちがないままに結婚したなら、仕返しの結婚である可能性が高いかもしれません。

自分の大切な人生を何かの仕返しのために台無しにしてしまうとしたら、こんな残念なことはありませんね。そうした復讐劇から抜け出すためには、毎日許しの実践をすることです。

幼いころの親を許し、仕返しするために結婚したパートナーを許し、自分の周りの人や出来事のすべてを許していくことこそ、仕返しから本当に足を洗うことなのだと思います。