孤独感

寂しいという気持ちを知らないという人はいないはずですね。特に子供の頃は寂しいという感覚といつも一緒だったように記憶しています。

その寂しさをなるべく見ないようにして、毎日生きていたのかなと思います。それが、大人になるにつれて、少しずつ心の自立と共にあまり寂しさを感じることがなくなってきました。

しかし、大人になっても人一倍寂しがり屋という人もいます。男性よりも女性の方がそういった傾向がもしかしたら強いのかもしれません。

この寂しさというのは、言ってみれば孤独感からくるわけです。人は誰しも他の誰かとは別の個体であって、そういう意味では孤独であるといえます。

しかし、孤独感というのは、単に他と分離している個であるという意識よりも、自分は誰からも助けてはもらえない、というような孤立した感覚からくるのです。

それは別の言い方をするなら、自分は誰とも繋がっていないという意識ともいえます。からだは別々でも、心と心が通じ合っているという認識があれば、孤立してはいないからです。

こういった意識を強くもって生きていると、とても耐え難いような孤独感を持ってしまうことになります。そのままでは辛すぎて生きていけないので、それをできるだけ感じないようにして生きることになるはずです。

そうしたごまかしをしても、その孤独感を完全に忘れることはできないし、本人は心のどこかで分かっているので、人生を楽しむことはできないのです。

孤独感を少なくしていくには、頑張ることをやめて、困ったときには自分以外の誰かに対して素直に「助けてください」を言える気持ちになればいいのです。

それは委ねる心を取り戻すことだとも言えます。助けてもらうことを恥じないことです。それが分かると、自分で隔てていた外側との距離が自然と縮まるのです。

そうして、人との心の繋がりができるのです。それは自分を過度に守ろうとしないという意識でもあります。結局、それは与えるという側で生きようとすることになり、人を孤独感から救ってくれることになるのです。