執着

かれこれ10年くらい前に、執着を手放すというワークをやったことがありました。それはどういうものかというと、自分の目の前に底が見えないくらいの深い断崖絶壁があるとイメージします。

そして、自分が執着しているモノなどをリアルにイメージして、ゆっくりと絶壁に向かって押していきます。少しずつそれを続けていくうちに、それは絶壁に落ちていくというものです。

つまり、自分の決断によって、自分の手で執着しているモノを絶壁に突き落とすというイメージをするのです。本気でやったはずだったのですが、その時に落ちそうになるモノを瞬間的に拾い上げてしまいました(笑)。

その時に執着というのは凄まじいまでのパワーなんだなあと思い知ったのです。普段から自分には執着などないものとして生活していたのですが、実はそうでもなかったということですね。

勿論今でも執着はあると思いますが、自分が翻弄されるようなことはなくなったかもしれません。夜、少々のアルコールを飲むことくらいでしょうか。

執着というのは、自分にはなくてはならないと信じている思い込みのことです。それが、物だったり人だったりするわけです。

物の場合にはまだ自分だけの問題で済むこともあるかもしれませんが、人への執着は相手を巻き込んでしまうため、人生そのものに大打撃を与えかねません。

執着は依存という言葉に置き換えてもいいくらい、二つの言葉には深い関連があります。つまり依存心がターゲットとするものに執着するということです。

「~がなければ、自分は生きてはいけない」という思い込み、それは自分の外側にあるものに自分の人生が振り回されてしまうということを意味します。

執着が強いということは、それだけ自分の内面を見ていない状態であるといえます。自分は何に執着しているのか、それを心を静かにして見つめてみることは大切なことですね。