自己同一化が取れたら…

禅は言う、何にも自己同一化しないように、と。そうすれば、おのずから超越が起こる。あなたは惨めさがやって来るのを見るが、見守る者のままでいる。惨めさが現れ、暗い煙のようにあなたを飲み込み、あなたを包み込むのを見るが、あなたは見張りのままだ。

by osho

私たちの本質が何かであったためしはないのですが、この現象界においては常に何かと自己同一化し続けているのです。

そうでなければ、この世界の一員として成り立たないからです。生まれてしばらく経てば必ずや自我が形成され、その自我と自己同化が始まるのです。

自我はこの身体との自己同化をするだけでなく、身体が経験したあらゆることとも自己同化するのです。

だから自我はとてつもなく巨大な存在として感じられるようになるのです。それが「ここにいるこの自分」という感覚を生み出すのです。

その個人が最も避けたいものが、惨めさなのです。惨めさの本質は単なる思考体験なのですが、それがあたかも事実であるかのように感じるのです。

↑上で言っていることは、こうした一連の自己同化に気づくことができるなら、そこに惨めさを含めたあらゆるものへの超越が起きるということです。

ただ全てを見守り続けるなら、私たちがやり続けているすべての自己同一化も自然と落ちていくということですね。

そして何かであろうとした夢が終わり、何でもないものにただ戻るのです。