回収病から抜け出す

私たちは日頃から色々なものに投資をしています。投資の目的とは、投資したものがいずれは何らかの形となって戻ってくる、つまりリターンを得ることです。

会社で一月働いた分の給料を月末に貰うのも、投資とそのリターンの回収と言い換えることもできます。

ただ一般的に投資と言う言葉を使う時には、給料のような決まりきったリターンではなく、もっと期待値の大きなものである場合が多いかもしれません。

株を買って、将来株価が高騰したときに大儲けできると目論むわけですが、これなどは典型的な投資と言えます。

我が子に対して幼い頃に色々な習い事をさせて、将来一流のアスリートに育ってもらうように期待するのも、投資とリターンの関係です。

あるいは、嫌なことでもものすごく頑張って、いずれはあるべき姿の自分になろうとするのも、自分への投資ですね。

けれども、あまりに耐えて耐えて頑張りすぎると、リターンが手に入る前に人生が破壊されてしまうかもしれません。

そうなると、投資をした昔の自分がリターンを回収できていないということを訴えてくるのです。それが執着となって、本人を苦しめることになるのです。

元々投資は期待するようなリターンを回収できるとは限りませんし、回収できないことの方が多いのです。

いつまでもそのことに執着していると、それこそ自我の思う壺なのです。自我の罠から抜けるためにも、投資を回収したいという強い思いを見てあげること。

見ることで乗っ取られずに済むようになれば、その回収病から抜け出すことができるようになるのです。