思考はいつまでも不知のまま

思考とは本当は何なのかということについては、私には実際分からないのですが、思考がどういうことをするのかは知っています。

思考は、今ここに在るもの以外について想像するのです。今この瞬間に在るものを知ることは、思考にはできません。

思考ができるのは信じたり信じなかったりすること。知ることは思考の範疇ではないのです。

ということは、知識は思考の範疇であり、真に知ることとはまったく次元の異なる事柄なのです。

思考は常に過去か未来という今ここにないものについて想像したり、知識をこねくりまわして解釈したり判断するのです。

思考が解釈したり判断するのは、今この瞬間に起きていることですが、そのベースとなるものはいつだって過去にあるのです。

きっといつまでたっても、私が思考を知ることはないのでしょうね。それはずっと不可思議な謎のままです。

けれども、思考を知ることはできなくても真理を知ることはできるかもしれません。それは決して不可能なことではないのです。

真理を知ることになったとき、思考のことはどうでもよくなっているのでしょう。