瞑想の中ですべてが消える

私たちは日頃あまり自覚してないかもしれませんが、実在するものよりも仮想的なものに夢中になっているのです。

仮想的なものというのは、思考によって「ある」ように思い込んでいるもののことです。たとえば目標というのは概念であって、実在しません。

価値というのも全く同じです。価値に触れたり見たりすることは不可能ですね。思考によって組み上げられたものだからです。

けれども、目標とか価値とか意味といったものこそ、私たちにとってはとても大切であり、無視できないものとなっているのです。

善悪、幸不幸、正不正、そう考えたらそんなものばかりで人生が出来上がっているように思えてきませんか?

たとえば価値というのは、毎日の生活に非常に密着しているものです。価値があるかないかが、そこにエネルギーを注ぎ込めるかどうかを支配していたりします。

何に価値を見出せるかで、その人の人柄とか人間性のようなものが透けて見えてきたりもしますね。

けれども一度瞑想の中に入ってしまえば、仮想的なものはすぐに消えていくことになるし、その後ゆっくりと実在するものさえも消えていくのですね。