従事病

自我というのは自分は個人として生きているという思い込みを持っているのですが、それを維持しているのは他人との関わりによってなのです。

だからこそ自我は独りでは生きていけない宿命を持っているわけです。それだけではありません。自我は常に何かに従事していなければもたないのです。

従事するとは、対象となるものと何らかの関わりを持って、そこにエネルギーを注ぎ込んでいる状態のことです。

何かの問題が起これば、それに対処する。病気になれば、それを何とかして治そうとして手を尽くす。

何か困ったことが起きれば、必死になってそれを解決しようとして頑張る。私たちはそれが当たり前だと思っているのです。

けれども、それこそが自我の従事病なのですね。とにかく従事するターゲットが常に必要なのです。

だからのんびりと余暇を過ごすとか、ゆっくり昼寝でもして何をするでもなく時間の過ぎゆくままに任せる、なんてことを何日も繰り返すことはできないのです。

自我は必ず何か身になることをしなければとなって、イライラして手持ち無沙汰を解消しようと努力するのです。

その結果、防衛を続けてみたり、戦って勝とうとしてみたり、従事する対象を同時にいくつも持つことになるのです。

あなたは今何に従事していますか?従事している対象にきづけたら、そこにエネルギーを注ぐことをやめてみたら何が起きるのか確かめてみることです。

自我の反応を離れたところから見てみれば、自分は自我ではないと気づくことができるかもしれませんね。