昨日のブログでは、欲望と受容はちょうど正反対に向いており、欲望を取れば自我は活性化するし、受容を取れば自我は衰退するというお話しをしました。
実は受容以外にも、自我を弱体化するチャンスというのはあるのです。それが挫折ですね。それも完全に挫折すること。
挫折というのはこの社会ではあまり好ましいこととは思われていませんが、人は挫折することで様々な気づきを得ることができるのです。
ちょっとした挫折だとかえって自我を強化することにもなるのですが、完全なる挫折は自我にとっては致命傷となるのです。
それは生の無意味さに気づくことだから。それによって戦いの毎日に見切りをつけて、内面へと意識を向けられるようになるのです。
完全なる挫折というのは、次なる欲望をもたらすことができなくなるということです。それが絶望ですね。
受容によって欲望を落とすのか、挫折によって絶望するのか、どちらも同じようにして、それまで見てこなかった広大無辺な内側に気づくことになるのです。
これを理解できるなら、深刻さというのがあまりにも馬鹿馬鹿しい精神状態だということが分かりますね。