母親との会話

気がつけば母親は92歳になっていて、幸いにも身体は健康でどこも悪いところがなく、年齢相応に足腰が弱ってきたかなという程度。

ただ、記憶力がすこぶる悪くなってきたのです。昔のことは覚えているのですが、最近のことをすぐに忘れてしまいます。

何とかこれ以上悪化しないで欲しくて、毎日のように質問をしてそれに答えさせるようにしています。

「何歳になったんだっけ?」と質問すると、ええと〜としばらく考えてから調子の良い日は「92歳くらい?」と答えることができます。

「くらいっておかしいでしょ?92歳で正解だよ。」とツッコミを入れると、面白いのか笑ってくれます。

一方で調子の悪い日は、「90歳にはなってないかな?」とか、「72歳?」などと平気で答えるのです。

そして今日は、残念ながら調子が悪いらしく、「何歳だか頭がおかしくなってしまって分からない」と言うのです。

「92歳だよ」と教えてあげるとしばらく考えて、「91歳はどこに行った?」と言うので、大爆笑。

母親を見ていてよくわかるのですが、年老いていくに従って記憶力の低下と同時に無意識でいることが多くなるようなのです。

きっと好ましくないことなどを忘れていって、生まれた時のようにぼーっとした無意識状態に戻っていくと言うことなのでしょうね。

年老いてなお意識的であり続けることが、どれほど難しいことなのかを日々見せつけられているようで、毎日の練習が大切なのだろうなと思うのです。