自我というのは「ノー」によって養われているのです。「ノー」と言う事によって、一つのまとまった個としての存在でいることができるのです。
赤ちゃんの成長過程で、とにかく何であれ「ノー」を連発するようになるプチ反抗期のような時期がありますが、あれは自我を生み出す準備をしているのです。
もしもあなたがどんな状況であろうとも、心の底から「イエス」と言えるなら、自我はそのうち持たなくなって、崩壊してしまうはずです。
「イエス」と言うのは、自分と外側の間に境界を作らないからです。分離がなくなって、全ては一つの状態に戻ることになるのです。
けれども勘違いしないでくださいね。子供の頃からずっと「ノー」が言えなくて、「イエス」ばかりで生きてきた人がいるなら、その人は最強の自我を作ったことになるのです。
なぜなら、その「イエス」は本当は「ノー」なのに、自分を守るために「イエス」と自分に言わせてきただけだから。
その防衛こそが「ノー」を言うよりも、もっと強烈に自我を育ててしまうのです。そこを間違わないことです。
もしも「ノー」を言わずに育ってきたなら、まずは「イエス」を自分に強いてきたことに気づき、勇気を持って「ノー」を表現できるようにすることです。
そして十分に「ノー」が言えて、それでも罪悪感を感じないでいられるようになったなら、ようやくその次のステージである本当の「イエス」へと道が開けてくるのです。