多くの人にとって当たり前のことだと思うのですが、あの人好きだなと感じる人もいれば、苦手、嫌いだと思う人もいるのです。
誰だって好きな人と一緒にいるのは楽しいし、いい時間を過ごすことができると知っていますね。
その一方で、嫌いな人とは口もききたくないし、顔を合わせたくもないのです。とにかく関わりたくないと思うのです。
ところで、その嫌いだなと思っている人のことを、もしも好きになれるとしたらどうでしょうか?
果たしてその嫌いな人を好きになりたいと願うでしょうか?一般的には、嫌いな人を好きになりたいなどとは考えないものです。
嫌いなのですから、ずっと嫌いのままで結構。一緒に過ごしたくないのですから、好きになる必要がないと思うわけです。
けれども、その人のことを好きになったとしたら、その人とも楽しい時間を一緒に過ごすことができるのです。
それを考えたら、嫌いでいるよりも好きになった方が得だということは、頭では理解できますね。
それなのに、なぜ私たちは嫌いな人のことを好きになりたいとは決して思わないのでしょうか?
それは、その人のことを嫌いだと感じているのが今の自分なので、もしも好きになってしまったら、今の自分が消えてしまうと思うからです。
強く嫌っている場合には、そこに敵対視する強いエネルギーが含まれているので、そのエネルギーの行き場がなくなってしまうのです。
実は癒しがとんとん拍子に進んでいかない理由もこれと同じなのです。今までの自分の生き方を変えたくないのです。
変えていくことができたら、癒しは進むと理解できたとしても、これまでの自分が消えてしまうのが怖いのですね。
でも安心してください。癒していっても、これまでの自分の考え方や生き方がなくなるわけではありません。ただ、それを選択しない自分が生まれるのです。
そうやって少しずつ生き方が変わってくることで、それまで自分が作ってしまった苦しみや生きづらさが改善されていくということです。