5、6年前にクルマを買った時には、老いてきた両親がゆったりと寛いで乗っていられるようにと、日本車としては比較的大きなミニバンを選択しました。
後部座席で足を伸ばして腰掛けられるし、背が高くて見晴らしもいいのですが、クルマの床が一般のものと比べて高いために、ちょっと乗り降りに手間取る感じでした。
それから時が経って、両親の高齢化が更に進んで、最近では以前よりも乗り降りが大変な感じが見ていてわかるようになってきていました。
そこにもってきて、母親の骨折があって、いよいよ両親にとってもっと乗り降りが楽にできるクルマが必要となったように思っていたのです。が、問題は金銭面です。
そんな中、じつは、数週間前に自分の不注意で、クルマの脇腹をイヤというほどに鉄柱にぶつけてしまい、昨日ディーラさんのところで修理の見積もりをしてもらったのです。
その結果、何と50万円くらいかかるということが判明してしまい、やや茫然自失気味になって戻ってきたのですが、その時にもっと床の低いクルマに買い替えた方がいいと思っていたことを思い出したのです。
けれども、買い換えるにしても先立つものがないし、修理するにしてもとても高額という、如何ともしがたい現実が「デン」としてあることに気づいてしまいました。
こういうときには、急いで何とかしようとするのではなく、ただ状況を見守るということも必要なのですね。ただ、今までの自分だったら一刻も早く修理しようとしただろうなと思うのです。
見た目に大怪我したようなクルマに自分が乗るということが、許せなかっただろうと感じるからです。その辺は、随分と悠長になったものだと思います。
そこはある程度自分の中でクリアしたようなのですが、あとは両親のために買い換える以外に何か解決するような事態が起こることを、静かに待ってみたいと思っています。
自分に起こることは、自分が望むこととは限らないですが、自分にとって常に必要なことが起こるということへの信頼は、ピンチになっても失くさずにいられるようです。