自己防衛をやめるという選択肢

何かを選択するためには、当然のことながら選択肢があるということに気づいていなければなりません。一本道では、横道にそれることもできないわけですから。

自己防衛をやめようとする前には、自分がせっせと自己防衛をしているということに気づかなければなりません。

さまざまな手段を駆使して、自分を防衛しようとしていることに気がついて、初めて自己防衛をやめるという選択肢があると分かるのです。

この当たり前のことを、私たちは意外と見過ごしていることが多いのです。それは勿論、元々ないと思い込んでいるものを探そうとはしないからですね。

そのために、エゴが繰り出すさまざまな自己防衛のための戦略について、あらかじめ知識として知っておくということは、それなりに大切なことです。

最初は知識として、そして実践の場ではそれを見抜く練習を重ねていくことで、リアルタイムで自己防衛しようとしていることに、気づくことが可能になります。

さてそこからが、いよいよ自己防衛をやめるという選択肢に注意を向けるスタートです。ただ選択肢を見ているだけではなくて、それを選択した場合にどのようなことが想定されるかを明確にイメージするのです。

そこには、明らかに恐怖が横たわっていることを見つけられます。その恐怖があるからこその自己防衛だったわけですから。

その恐怖を見つけることができたということは、間違いなく自己防衛をしないという選択肢の方向に向かおうとしていることを示しています。

ここまできたら、今度はその恐怖を真正面からしっかり見据えて、それを対象としてというよりは、それと一つになるように身を投げ出すのです。

こうして自己防衛へと自分を駆り立てるエネルギーを小さくしていくことができます。今まで防衛に費やしてきたエネルギーをあまり使わなくなると、傷つきにくくなるのです。

そして自分は元々安全だったのだということにも気づけるようになっていきます。なぜなら、今まで敵対視していた相手が徐々に減っていくからです。

あなたはご自身の防衛方法に気づいていますか?そのことにいつも注意を向けて、自分を見張っておくことが大切ですね。