驚きを持って生きる

毎年、大晦日の夜と正月だけは、普段一緒に食事をすることがあまりない両親と食事を共にするので、前もって簡単なカードマジックを練習しておいて、披露してみたのです。

すると、各人の反応がバラバラなのが面白い。父親は、「ああ、それ前にテレビで見たことがある。」と言い、家内は何とかしてマジックの種を暴こうとし、母親は純粋に驚くという反応でした。

どの反応も予想していたものですし、どれがいいとか悪いというものではありません。勿論、マジシャンを演じている私としては、とりあえずびっくりしてもらえたら、それが一番嬉しいわけです。

私自身の中にも、きっと様々な反応をする心の断片があるだろうことが分かります。それは見たことがあるという反応も、種を暴こうとする部分も、ただびっくりする心もあるのが分かります。

それ以外にも、マジックなんてつまらないという反応をする部分もあるのでしょうね。その状況によって、どのような反応が表面化することになるかが決まるはずです。

けれども、どのような反応をするかというのは、自己防衛の強さと関連があるのです。防衛が強ければ強いほど、驚いている自分を隠そうとします。なぜなら、驚くということは、相手にコントロールされるイメージがあり、危険だからです。

一方、単純に驚くというのは幼い子供のような反応ですが、それは無防備な心の状態であるということが言えますね。それが、最も愛に近い心の状態なのです。相手と競っている自分がいないからです。

どんな反応も当然間違いではありませんが、もしもあなたが親しい家族にマジックを披露されたら、どんな反応をするような気がするでしょうか?

家族との人間関係が愛に溢れていればいるほど、子供のように驚かされる自分を楽しむことができるでしょうね。それは、人生そのものについても言えることです。

人生から驚きが失われてしまえばしまうほど、味気ないものになってしまいます。愛は、いつもあらゆることを驚きを持って見ることができるはずだからです。

あなたは、生き慣れた毎日の人生の中で、どれだけ驚きを感じて過ごしているでしょうか?驚く心はいつも新鮮さを保っていますし、瞬間瞬間を楽しんでもいるのですね。