人との関わりを心地よいものにするには?

私たちは、どんな状況下で暮らしていようと、どんな仕事をしていようが、人と人との関わりの中で生活しています。ですから、それが心地よいものであるかどうかは、とても大きな問題ですね。

人との関わりが心地いい状態というのは、様々な要素が絡み合っているのですが、根っこにあるのは相手との対等感だという気がしています。

基本の部分で、互いに相手のことを対等だと認識できていることがとても大切だということです。勿論、表面的な部分においては、それが親子や夫婦の関係であれ、師匠と弟子、先生と生徒の関係でも同じです。

それは相手を尊重するという心が作り出すものですね。相手の存在を見ているかどうかということ、愛だけが相手の存在へ向かうものであって、それ以外の気持ちは相手の違う部分を見ているのです。

相手が自分にとって、どれだけ価値があるか、どれほど自分の期待に応えてくれるのか、言うことを聞いてくれるのか、どれだけ見栄えがいいのか、そうしたことを対象とするのが私たちのエゴの部分なのです。

愛以外の要素で相手と関わりを持つと、必ず関係性は複雑なものへと変貌してしまうのです。互いの距離感がうまく作れなくて、相手の心に侵略したり、あるいはされたり。

相手に依存したり、依存させたり、見下したり、見下されたりすることが起きてきます。また、場合によっては、互いに関わっていく中で知らず知らずのうちに、相手を巻き込んだり巻き込まれたりすることもあるのです。

勿論、巻き込まれる側は被害者の立場に見えるし、巻き込んだ方が加害者になってしまうのですが、本当のところ両者は似た者同士なのです。

人を巻き込んでしまう人は、無自覚のままに巻き込む相手を探しているし、巻き込まれてしまう人は自分をまきこむ人をひきつけてしまっているのですから。

カルト集団の教祖が困っている人の心に付け込んで、相手を洗脳し人生レベルで搾取するようになる一方で、洗脳されてしまう信者の方は、そうした罠に自ら嵌っていくのです。

人とどんな関係を作るかは、100%あなたの心の中にその原因を見出すことができます。どんなことになろうとも、あなたの外側にその原因があると信じている間は、問題は解決しないのです。

あなたの心の内側、心の声をじっくりと聞いて受け止めることができれば、おのずと人との関係性は変化してくるはずです。

自分の心を受け止めて、尊重することができれば、相手の存在をも受け止めることができるようになり、そうした関わりはきっと心地よいものになるはずです。