防衛と自由は反比例する

赤ちゃんは自由ですね。たとえば、おならを我慢したり、嫌いなものを食べたりするといったことは、皆無です。つまり、自分で自分を束縛するということがありません。

そういうルールを持っていないからです。そのルールとは、~べき、あるいは~ねばならないなどで表現されるものですが、ルールを課す目的は自分を守るためです。

赤ちゃんの心には、まだ自分という存在がいないために、つまり守るべき自分がいないのでそうしたルールを持たずに毎日すくすくと成長するのです。

けれども、ひとたび自我が発生して自分がいるという思いが出来上がってしまえば、自分の身は自分で守らねばならないということに気づいてしまうのです。

そうして、上述した様々なルールで身を固めて自分を守ろうとし出すのです。それを自己防衛システムと私は名付けています。防衛すればするほど、ルールがきつくなるために、その分だけ不自由になってしまうのです。

したがって、防衛と自由は互いに反比例の関係にあると思えばいいのです。もしも、あなたが自分の人生を不自由に感じたり、何だか生きづらいと思っているのでしたら、それは自己防衛が過度になっているという証拠です。

自由な人生を取り戻したいと望むのでしたら、まずは自分が日ごろどのように自己防衛をしているのかに気づく必要があります。気づかなければ、それを減らしていくことは不可能だからです。

自己防衛の方法はそれこそ多岐に渡りますが、たくさんのクライアントさんと接してきて、その主要なものを教えてもらったので、以下にそれを列挙してみます。

・自己表現、感情表現を抑える

・いい子、いい人、相手に都合のいい人物になろうとする

・プライドを高くし、人を見下す

・ネガティブな感情を見ない

・自閉して傷つかないようにする

・頑張りと努力で結果を出そうとする

等々

こうした生き方は、大なり小なり誰でも心当たりがあるかもしれませんが、問題はそれをどれだけ過度にやってしまっているかということです。

まずは、自己分析してみることですね。そして、自分独りではどうもうまくできないと感じられたら、セラピストの力を借りるという選択肢も検討してみてもいいのではないかと思います。