自分の心を揺さぶること

十分に泣くことができない人は、思い切り笑うこともできなくなってしまいます。怒りをそのままに感じることができなければ、大喜びすることもできなくなるのです。

男は泣くもんじゃない!などと決めつけたのは大馬鹿のやることです。子供に聞くと、大抵は泣いたら負け!と思っていることが分かります。

弱虫と思われたくないから、泣くのを我慢するわけです。そうやって感情を抑圧し続ければ、感動することもできない扁平な心の持ち主になってしまいます。

そして、いずれはダムが決壊して溜め込んだ感情は一気に溢れ出すことになるはずですし、場合によっては激しい爆発が起こることもあるでしょうね。

感情が湧き起ることは、人としてごく自然なことのはずなのに、なぜそれを異常なまでにコントロールしようとするのでしょうか?以前、感情は心の特効薬(http://members.jcom.home.ne.jp/fosawa/column/kanjou.htm)というコラムを書いたことがありました。

やってくる感情がたとえどれほど気に入らないものであったとしても、それをそのまま見てあげることです。やってきた感情に対して何もしないでいれば、それは必ず感じることになるのです。

そうすれば、感情は川を流れる水のように流れ去っていくのです。どこかで堰き止めてしまったり、川幅を狭めて流れる勢いを小さくすれば、川の水は淀んで腐り出すのです。

まずは、川の表面を流れる水だけでも、スムーズに流れるようにしてあげることです。そうすることで、次第に川の深いところの水さえもその勢いにつられて、うまく流れるようになるものです。

それには、日ごろから自分の感情に揺さぶりをかけるように仕向けることです。感動する物語を観たり、読んだり、泣けて泣けて仕方ない映画やドラマを観たり…。

そうやって少しずつ表層での感情の流れをよくしてあげることです。そのうち、つられて自分が一番見たくない、都合の悪いかつての感情さえも流れ出すはずです。

あなたが長い間かけて溜め込んできた感情によって、あなたの身体を貫通させてあげるのです。