幸せとは何だろう

どんな問題を抱えたクライアントさんがいらしても、セラピーの基本的な目的はたった一つ。それは、当たり前ですがクライアントさんの大切な人生がより幸せなものになって行くこと、ただそれだけを目指してセッションをしています。

ところが、どういうわけか、残念なことにクライアントさんによってそうは思っていないという場合もあるのです。せっかくセラピーにいらしている張本人が、自分の幸せを望んでいないとはどういうことでしょうか?

勿論ご本人はそういった自覚はないのが普通ですが、何度かセッションをしていくうちに、そのことがはっきり分かってくるのです。幸せというのは、一般的に心が平安な状態であることを言います。悲しんだり、怒ったり、怖がったり、絶望したり、誰かを憎んだりしていない状態です。

このホンモノの平安というのは、安定していてずっとその状態が続いているという特徴があります。この永続的な心の平安というのが本当の幸せな状態であるのです。ところが、多くのクライアントさんが求めているのは、一時的な安堵感、安心である場合が多いのです。

この一時的な平安と永続的な平安とは似ているようで、実は全く違うものだと言えます。なぜなら一時的な平安というのは、例えて言えば戦争と戦争の間の一時休戦状態のようなものであるからです。これは幸せとは程遠いものですね。

そして大切なことは、この一時的な平安を求めている限り、絶対に永続的な平安(ホンモノの幸せ)は手に入らないということなんです。一時的な平安は、瞬間芸的なものですから、その時に安心していられればいいというものです。そして、その安心感は概ね自己防衛をすることで得ることになります。

一方、ホンモノの平安というのは、全くその逆で自己防衛をしない生き方をすることによってのみ得ることが出来るのです。どんな場合でも無防備でいられるような人はほとんどいないでしょうから、これは大変難しい生き方と言えるかもしれません。

セラピーを継続していくと、ひとりでに自己防衛が少なくなって行きます。これが心の癒しですね。また意図的にできるだけ防衛しないように生活していくということを進めていく必要もあると思います。

防衛しないでいれば、実は攻撃されずに安心を得ることができるんです。なぜそういうことが言えるのかについては、セッションの中で詳しくお話しさせていただいています。少しだけでも防衛が減れば、毎日の生活はとても過ごしやすいものに変化してくるでしょう。

いずれにせよ、まず、自分は幸せを求めてはいなかったということに気づいていただき、その上で幸せ、つまり永続的な心の平安を求めていくにはどうしたらいいかを明らかにしていく必要があります。そして、幸せをもとめなければ、決して幸せを手にすることはできないということですね。

ブログにしては、なんだかコラムのようになってしまいました。(汗)