とにかく見ること

もしもセラピストが、「自己防衛をやめれば人生は全く違った清々しいものへと変わるので、自己防衛をやめることです」と言ったなら、次のように考えて欲しいのです。

それは自己防衛をやめようとする代わりに、自己防衛をしようとする自分、自己防衛をしている自分をただ見てあげること。

他人と自分を比べるのをやめようと思うなら、他人と自分を比べようとする自分をただ見てあげること。

自己否定をやめた方がいいと言われて、それをやめようと思うなら、自己否定をしてしまう自分をただ見てあげること。

過食がやめられずに何とかしたい、無駄使いをやめたい、遅刻癖を治したい、このように自分を改善したいと願うなら、願ったところで意志の力でどうなるわけでもないのです。

それはきっと誰もが薄々気づいていることです。あなたがやって唯一効果があるのは、そうしたやめたいのにやめられないでいる自分を見てあげることなのです。

人は見ることを通してのみ、本当に変化していくものなのです。つまり意志(自我)の力を使うのではなく、見ること(意識)によって気づいていること。

思考を使わずにただ見ることによって、自我そのもののエネルギーが削がれていくのです。それを体感するには、ただ実践あるのみです。