分離不安が起こす悲劇

誰にでも誕生日がありますね。それはあなたがお母さんの身体から外の世界に飛び出してきた日です。

それまではずっとお母さんのお腹の中にいて、羊水の中でぷかぷか浮かんでいたのですから、この世界を知らずにいたのですね。

ところでお誕生日には、自我として成り立っているあなたはまだ不在でした。ただ肉体だけが母体から分離しただけなのです。

そこから2〜3年の年月を経て、今度は自我が産声をあげて、母親のマインドからゆっくりと離れていくことになるのです。

この時に赤ちゃんの安心が足りないでいると、分離不安が後々残ってしまうことになるのです。

場合によっては、赤ちゃんが自分から自然に分離していくことを許さない母親もいるのです。

そのような場合は自我ができた後も赤ちゃんは母親の思考エネルギーの中に閉じ込められてしまうのです。

独立した個人としての自我があるのにお母さんの中にいるのですから、言ってみれば、お母さんの奴隷状態のようなものです。

お母さんのマインドに幼い頃の分離不安が強く残存していると、赤ちゃんが自分から分離していくことを不安に感じるため、それをさせないようにするのですね。

こうしたことは家庭内で密かに進行していくので、外側からは気づけないのです。そうして育てられた子供は、成長しても精神的な自立が難しくなります。

他人との間に対等な人間関係が築けなかったり、依存心が非常に強かったりといった生きづらさが残るかもしれません。

もしもあなたがそうした生きづらさを抱えているなら、こうしたことを疑って見る必要もあるかもしれません。