瞑想によって垣間見る

この生の中で唯一不自然なことと言えば、自分は個人としてそれ以外の全てから分離しているということ。

それはどんな妄想よりも酷い間違いなのです。このとんでもない妄想は、周囲から作り出されたものですが、誰もがその妄想に取り憑かれてしまったので、それが真実だと感じるのです。

けれどもどれほど真実のように見えたとしても、所詮は妄想なのでそれを維持するためには相当なやりくりが必要なのです。

その方法は、思考を継続的に働かすことで騙し続けることなのです。もちろんかなりのエネルギーを消費しますが、私たちはそれが生きることだと錯覚しているので平気なのです。

その思考は欲望によって維持されるのです。欲望がなくならない限り、過去や未来を用いて個人は生き延びることができるのです。

もしも欲望が途絶えてしまったなら、個人を下支えしてきたマインドのエネルギーが一緒に消えてしまうはずです。

そうなったら最後、もう個人でいるなどということは脆くも崩れ去り、ただ在る自己に戻ることになるのです。

分離という夢が消えてゆき、残るのはあるがままの生だけになるのです。瞑想によってそれを垣間見ることはできるはずですね。